【QC7つ道具】特性要因図とは|特徴から身近な活用事例まで3分で解説

解説

QC7つ道具のひとつである特性要因図について解説。

製造業においてよく使用される有効な問題解決の手法である。

身近な経営工学視点で試験対策への応用もあるので、受験生や資格勉強している社会人にもおすすめだ。

「特性要因図」とは

特性(結果)と要因(原因)との関係を矢印で結んだ図

特性(結果)に対して、多くの要因(原因)がどのように関連しているか、ひと目で分かるように系統的に整理されている。

魚の骨の形に似ているため、別名フィッシュボーンチャートとも呼ばれている。

「特性要因図」をもう少し詳しく

実際にサンプルを見ながら確認してみよう。

下記はある製品の不良発生についてまとめた特性要因図だ。

解決したい特性(結果)として不良発生が選定され、要因(原因)がどのように関連しているか図示されている。

記載されている要因(原因)の中から根本的な要因(原因)を特定し潰しこむことで、不良発生の解決に繋げていく。

「特性要因図」を使用するメリット

特性要因図には以下のようなのメリットがある。

  • 作成の過程で問題の洗い出しができる
  • 視覚化されるため問題意識を共有しやすくなる
  • 問題解決の方法や効果についての検討がしやすくなる
  • ノウハウとしての情報資産となる

物事に潜む問題は多岐に渡ることが多く、更には様々な形をしているため、関係者で捉え方が異なると議論がかみ合わないことがある。

特性要因図により、問題の洗い出しや問題意識共通化を図ることができる。

「特性要因図」作成の流れ

特性要因図は下記の手順で作成する。

  1. 解決したい特性(結果)を決め、背骨を記入する(下図①)
  2. 問題の大分類となる大骨を記入する(下図②)
  3. 各大骨の要因(原因)を分解・具体化し、中骨や小骨を追加していく(下図③)
  4. 解決したい特性(結果)の根本的な要因(原因)を特定する。

大骨を記入する際、製造業の場合は下記の4Mをベースにする。

  • Man:人
  • Material:材料
  • Machine:機械
  • Method:方法

サービス業など他の業界の場合は、大分類を決めるために自由に意見を出し合い、その中から最終的に4~6程度に絞るようにする。

また、特性要因図に記載した大小さまざまな要因(原因)の中から根本的なものを特定する際は、管理不適切・怠慢などで発生したものはないか、複数の大骨に似たような小骨はないかを注意するとよい。

「特性要因図」に関する雑記

パレート図では、対象の各項目の数字の大きさに注目し集中度合いを見ることで解決の優先順位をつけることができるが、特性要因図は問題の洗い出し・整理・共有化が重要な役割だと思う。

関係者は様々なバックボーンを持っており、議論の際に自身の得意な分野に偏りがちなので、特性(結果)に対してニュートラルに臨むことは大事なことだ。

「特性要因図」を身近で活用するなら

受験生や資格勉強している社会人が、思うように成績が伸びない場合の打開策検討で活用できる。

サンプルとして資格勉強している社会人バージョンを作成してみた。

ここでは成績が伸びないことを特性(結果)としている。

様々な要因(原因)があるが、管理不足・怠惰・重複等の観点で見ると下記のような対策が挙げられるだろう。

  • 飲み会を減らす
  • 練習問題が多く分かりやすい教科書に変える
  • 会社の近くで机の置ける静かな物件に引っ越す
  • 業務効率化(削減)を模索する

「特性要因図」のまとめ

特性要因図は、特性(結果)と要因(原因)との関係を矢印で結んだ図

特性(結果)に対して、多くの要因(原因)がどのように関連しているか、ひと目で分かるように系統的に整理されている。

身近な経営工学視点では、受験対策にも活用が可能だ。

他に活用事例を思いついたり、違うテーマでの作図をご希望の方は、お問い合わせツイッターまでご連絡を。

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